『エンド・オブ・トンネル』ラスト30分で全部ひっくり返された話。

映画。

配信終了間近だったので観た。

面白いと聞いて観たけど、
「あーこういう感じなのか〜」
って思いながら観ていた。

…と思っていたら。

あらすじ

車椅子生活を送る主人公ホアキンが、
自宅の地下で銀行強盗の計画を偶然知ってしまう。
「歩けない男」と「動き回る悪党たち」。

圧倒的に不利な状況で、
どうやって悪党たちを出し抜くのか。

観終えて思ったこと

スペイン語圏作品独特の”間”が結構ツボ。笑

ホアキン宅の部屋を借りにきたベルタは、ストリッパー。
彼女のダンスシーンは、
「何を見せられてるんだろう…?笑」
とはなるけど、
服は着たままなので、そこまで気まずくはない。

こういう独特の空気感も、結構好きなんだよね。笑

銀行強盗、
しかもトンネルで、
今のこのご時世に「こんなことある?笑」
なんて思いながら観ていた。

…なのに。

ラスト30分。

気づけばソファから身を乗り出して、
「あーーーー!」

「キャーーーー!!」

と大騒ぎしていた。笑

ネタバレあり感想

語らずに伝えてくる

主人公ホアキンがなぜ車椅子なのか。

妻子がいないことも、
地下に降りるエレベーターがある理由も、
この作品はほとんど説明しない。

代わりに、映像だけで「察して」と語りかけてくる。
この力技が意外と好きだったかも。

そんなホアキン宅の2階を借りに、
ストリッパーのベルタとベティ親娘が尋ねてきたことで、
お金に困っていることが分かる。

その二人を見て、
複雑な表情をしているホアキンを見て、
あぁ彼にも綺麗な妻と娘がいたんだろうなと察する。

そして、ベルタがかくれんぼするベティを探すため庭に入り、
そこで真っ黒焦げの車を発見する。

ちょっと待って。

恐らく事故ったであろうボロボロの廃車って、
取っておくものなの?!

いやきっと、あれで察してね、
ってことなんだろうけど、
事故車をずっと残しておくとか、
辛すぎない??

そこでちょっとした違和感を感じつつも、
この作品は語らず映像で察してパターンなんだと言い聞かせ、見続ける。

ホアキンが、地下でひたすら機器の作業をしているシーン。

あれ、結局何のシーン?笑
(全然言い聞かせられていない。笑)

主人公が機械に強いことを見せるため?
それとも銀行強盗の計画を掴む伏線か?
…ちょっとよくわからなかったけど。笑

ホアキンが親娘に心を開くきっかけにもなった、
老犬カシミーロ。

序盤で動物病院に電話をしているシーンがあり、
その時点で、もう長くないことを察する。

そんなある日、
ずっと寝たきりだったカシミーロが、
自分の足で立ち上がる。

「カシミーロが立ったっ…!!」

私もハイジと同じセリフを言う日が来るとは。笑

それを見たホアキンが、
嗚咽するほど泣いていて、
私もつられてウルウルしてしまう。

観終わったあと、
「なんであんなに泣いたんだろう?」と考えていた私。

そういえばベルタが写真を見つけた中に、
カシミーロが子犬の頃の写真があった。

妻や娘を失い、
最後に残った家族がカシミーロだった。

そのカシミーロも歩けなくなり、
ホアキンは安楽死させる準備をしていた。
そう考えると、あの涙にも納得がいく。

……いや。

もしかしたら、
歩けなくなったカシミーロに、
車椅子の自分を重ねていたのかもしれないな。

もう終わった、と思った

ホアキンは、
ガレリトたちが掘ったトンネルを
ちゃっかり拝借。

しかも銀行強盗を済ませたあと、
トンネルごと水没させようとしている。

…いや、なかなか性格悪くない?笑

しかし銀行強盗も、トンネル水没も中途半端に終わり、
警察が出動する事態に。

家の地下室が水浸しだと言い、
警察を招いたホアキン。

ガレリトに指示を出していたグットマンが、
警察と一緒に尋ねてきたあたりから、
一気にピリつき始める。

警察が帰った後に、
またドアをノックする音。
「警察ですが…開けてください。」

そこには警察に扮したガレリトたち。

それまでは、
「フーン。それでそれで??」ってな感じで、
ソファにゆったり掛けながら観ていた。

おぉ…これはやばい予感がするぞ。

丸腰。
武器もない。
奥にはベルタとベティ。
しかも車椅子でしょう?

この上なく、詰んでいる。

そしてこの状況を切り抜けられる予感がしない!

実は車椅子は嘘で、歩けまーす!
実は車椅子の中に武器まで仕込んでまーす!
みたいな状況じゃなきゃ、
切り抜けられないでしょう…

……ああ、オワタ。

……と思っていた。

そこからだった。

強盗団の一人がホアキンに情報を漏らし、
監視役だったベルタに惚れて会いに来ていたという、
最高の嘘をでっち上げた。

あーーーーー!!

その手段、ぜんっぜん想像もしていなかった!
最高すぎる。

ずっと監視していた情報だけで、
切り抜けるのエグっ。

なぜ私の推理脳は、今回全く機能していないんだ!
伏線を伏線と思わず、ただ観ていた…悔しい。笑

……あれ?

そういえばベティ、
誰かの腕時計を盗んできていたな…

ま、まさか…

キャーーーーー!(歓喜)笑

そしてこの気持ちよさは、
ここだけでは終わらない。

疑心暗鬼に陥った強盗団はお互いに撃ち合い、
急所を外れたガレリトだったが、
彼に裏切られたグレタがトドメを刺す。

なぜホアキンがグットマンを呼んだんだろう?
と思いながら観ていたが、
彼がこの遺体と事件の後始末を引き受ける。

そして帰り際、
グットマンはカシミーロのために用意されていた、

薬入りクッキーを手に取る。

…ったまんねーーー!

そこまで回収するのかよ…
気持ちよすぎる。

この映画の凄さって、
伏線を伏線だと思わせないところなのかもしれない。

映像だけで状況を理解させてくるから、
「今見えているものが全てなんだ」
と思ってしまった。

だから今回は、
私の推理脳が発動しなかった。

ずーーーっと油断させといて、
最後に一気に畳み掛けてくる。

…もう完敗です。笑

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