『カミング・ホーム』老いるのは、意外と悪くないのかもしれない。

映画

『カミング・ホーム』たまらなく好き。
なにこれ、久々に声出して笑っちゃった。しかも何回も!

目を瞑っても、ジュールズが目に浮かぶんだ。

Tシャツ…笑

観終えて思ったこと

なんなんだ。これは。

最高すぎる。

最初は老人の日々を描く、
淡々とした作品なのかな〜なんて思って観ていた。
そのルーティーンをずっと見せられるんだもん。

宇宙人が出てくるような世界観じゃないけど…?

ここまでの日々の中で、
ミルトンの様子が少しおかしいことも見せてくる。

と思っていたら。

突如、家の庭にUFOが墜落。

なんで?🤣

あまりにギャップがありすぎて、
これはミルトンの頭の中だけの話なのかも…と
身構える。

突然のUFOがあまりに非日常で、
出てくる人もみんな老人。

イマジナリーの世界なのでは?という疑いが拭えない。

しかしここから、
この映画の面白さが一気に加速していく。

とてもハートウォーミングで、優しい。

でも、その一言だけで片付けられない。笑
かと言って、重苦しすぎるわけでもない。

この絶妙なバランスが、
この映画の面白さなんだと思う。

あらすじ

小さな町で一人暮らしをする79歳のミルトン。
ある夜、庭に正体不明の飛行物体が墜落する。

目の前で起きていることは現実なのか、それともーー。

思いもよらない出会いが、
ミルトン、サンディー、ジョイス、
3人の日常を少しずつ変えていくSFヒューマンドラマ。

ネタバレあり感想

会えてよかった。

ミルトンの見ていた世界が、
現実だったと分かるシーンが一番好き。

宇宙人を家に招き入れてから娘が訪ねてきて、
とてもハラハラしてしまう。

ミルトンだけの世界かも、いや現実にそこに座っているのかも、の間で
グラグラ揺らぐわたしの心。笑

彼女が玄関先で帰ってくれたことに安堵した矢先。
今度はサンディーが来訪。

え、ドア開けて、中に入ってきたけど…大丈夫!?
と思った次の瞬間。

その驚き方が、
地味でリアルでサイコーに愛おしいのだ。

あの子は確かに存在してるんだ…!!
という安堵感が、笑いを増幅させてくる。

あのシーンだけ何回も観たい。笑

すごくリアリティがあって、
ひとりで見ていた世界じゃなくて、
ちゃんと誰かと共有できる現実だったことが嬉しかった。

ミルトンが、サンディーの夫の認知症について聞くところもいい。

あの頑固そうなミルトンが、
やっと心を開ける人ができたんだ…😭

とてもいいシーンなんだが、
よく考えたら猫の亡骸を集めているシーンでの会話なんだよね。
ギャップありすぎ。笑

この老人3人が、宇宙人ジュールズをきっかけに、
少しずつ胸の内を開いていくのを見て、
涙が出そうになる。

ジュールズは、全く喋らないし、表情もない。
ちょっと不気味だけど、
そこに居てくれる。

誰にも言えなかった孤独や不安を、
なぜかジュールズにはサラッと言えちゃうんだ。

私もジュールズとソファーに座っていたら、
いろんなことを話しちゃいそう。

だってもう、あの顔やフォルムに愛着が湧いているから。笑

猫しんどい。

ミルトンがジョイスにだけ、
当たり強いのがかなりおもろい。

なんかされたの?
ひどすぎない?

ミルトンとサンディーだけの秘密だった宇宙人の存在がバレた瞬間、
ジョイスを「消すしかない」とか言うの怖くない?笑

しかも、飼い猫ヘンリーを差し出せとか。

うそやろ、そんなひどすぎる。
まだ生きている飼い猫を差し出せなんて…

ミルトンは、
「ヘンリーは年老いていて、目も耳もダメで歩けないだろう。ほぼ死んだ状態だ」と言う。

この瞬間、一気にこの作品嫌いになりそうだった。

ひどすぎない?

あなたは結婚して子供もいるけど、
ジョイスの家族はヘンリーだけなのに。


くたばれミルトン!!!
ジョイスのセリフと、私の心の叫びが重なっちゃたよ。

ジョイスがその場から去っていき、
車で落ち込んでいる彼女を見て、
なんか分かってきちゃったんだ、私も。

自分のそばにいてほしいという気持ちだけで、
長生きさせることは正しいのか。

私の飼い猫も老猫になり、いずれ来るその時を、
ジョイスに重ねてしまって、
めちゃめちゃ泣いてしまった。

「今はすべてじゃない。もう昔とは違うの。」

サンディーに言ったこのセリフに、
なんだか全部詰まっている気がして、大号泣。

愛猫の最期を、一緒に看取ってくれる友人がいる。
愛猫の最期を、苦しまない形で見送らせてくれる友人(宇宙人)がいる。

今までは居なかったのに。

それは幸せなことなのかもしれない、
なんて思ってしまった。

ひとりじゃない。

そして集めた猫の亡骸を、
宝石みたいにきれいな燃料へ変えるジュールズ。

なんだかその美しさに、
少しだけ救われた気がしたよ。

ヘンリーだけじゃない。

老いたミルトン・ジョイス・サンディーも一緒なのかもしれない。

ひとりじゃない。

ラスト、認知症が進んだであろうミルトンのそばには、
変わらずサンディーとジョイスが居た。

なんだかそれだけで救われる。

ジュールズ(a.k.a.ゲイリー。そこはさすがに統一してくれ笑)の
ワードが出た時に、ニコってするシーンがすてき。

夜にミルトンがベッドにいると、
あのときのように外で光が見える。

そして、外を見て微笑むミルトン。

最後もオシャレすぎでは?笑

あれは本当にそうなのか。
それともミルトンが見ていた世界なのか。

最後は、それが分からない。

でも、それがいい。

老いるってのも、なんだか悪くないのかも。

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