『ワン・バトル・アフター・アナザー』気持ち悪さと気持ちよさが行き来する。

映画。

『ワン・バトル・アフター・アナザー』
私の推したちは「面白い」って言っていたけど、
この感覚は、人によってかなり分かれそうだなと思った。

 ※今回観たのは、U-NEXTです。

観終えて思ったこと

アカデミー賞にノミネートされていて、
私の推し映画好きたちもこぞって「面白い」と言っていたので観てみた。

見終わったあとに残ったのはーー。

面白い!とも
つまらない!とも
言いきれない感情。

ただ印象に残るシーンはいくつもあって、
たぶん私はそのシーンを観たくて、
きっとまた再生する気がする。

最初は正直ハマらなかった。

でも見終わってからじわじわ残ってきて、
気づけばハマってきた感覚がある。

ネタバレあり感想

気持ち悪さしか勝たん

ショーン・ペンが演じるロックジョーの
気持ち悪さがこの作品は秀逸。

軍人だから、身体も鍛えていて、
姿勢も良くて、礼儀正しい。
むしろ清潔感すらありそうなのに…

それなのにーー

気持ち悪いのだ。

歩き方や話し方、目線の配り方。
何も話していない時の表情。

細かな仕草のひとつひとつから、
不気味さがじわじわと湧き出てくる。

私の五感全てが感じている。

ロックジョーはヤバい。笑

あの気持ち悪さを成立させている
ショーン・ペンの演技力の高さにも、
ちょっと引いた。

そして実は、
この作品で気持ち悪さを感じた人がもう一人。

ペルフィディア。

テヤナ・テイラー が演じる彼女は、
スタイルの良さと顔立ちの美しさに、

こんな人を今まで知らなかったことを
少し後悔するほど見惚れてしまった。

女革命家というキャラクターも相まって、
「この人のためにある役では…?」
と思ってしまうほどハマっている。

でも物語が進むにつれて、
少しずつ違和感が出てくる。

こんな女いるか…?

いや、革命家なんだからいるだろう。

……いやいや、いる???

下品なのも、エロいのも、
割とそんなに気にならないタイプのはずなのに、
なぜだか受け付けないのだ。

かっこいいし、セクシーだし、
スタイルも良くて、
いわゆる“カッコいい女”。

なのに、どこか引っかかる。

そしてこの感じ、前にも味わったことがある。
それが『地面師たち』の
倉持玲。

感覚だからうまく説明できないんだけど、
男性が描く理想の女性像というか、
どこか現実味がないというか。

キャラクターの造形に、
どこか現実味のない違和感を感じたんだよね。

たぶん、そこが
「気持ち悪い」と思った理由なんだと思う。


ヒーローじゃないのが最高

レオナルド・ディカプリオ演じるボブがいい。

超普通。

いや、むしろダメパパか?

携帯の充電はないし、
屋根渡りには失敗して落ちるし、
暗号は思い出せないし、
娘のピンチにも全然間に合わない。

狙撃も失敗するし、
ロックジョーにも全然追いつかない。笑

映画やドラマに出てくるような
“ヒーロー”ではないのだ。

でも、嫌いじゃない。

むしろ私は、
この作品を見返したくなる理由の一つが
ボブのダメさをもう一度見たくなるから
なのかもしれない。

彼は普通っぽくて、
とても魅力的なのだ。

気持ちいい⇄気持ち悪い

この映画の感想をうまく言い表せないのは、
気持ちよさと気持ち悪さの感情が
行ったり来たりしているから。

ロックジョーの気持ち悪さと、
ペルフィディアの違和感。

でも一方で、
ヒーローになりきれないボブのダメさは
どこか気持ちいい。

気持ち悪いのか。

気持ちいいのか。

面白いのか。

面白くないのか。

それでも、
ラストの勾配カーチェイスや
ウィラの成長をまた見たくなる。

そしてたぶん私は、
都合よくいかない気持ちよさがクセになって、
またこの映画を再生すると思う。

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