『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』続きを夢で見たいと思った話。

映画。

観終えた後も、何度も思い出しては、フフッと笑顔になってしまう。
『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』。

あらすじ

老人ホームで暮らすダウン症の青年ザックは、
憧れのプロレスラーに弟子入りするため施設を飛び出す。

逃亡中に出会ったのは、心に傷を抱えた漁師タイラー。

ひょんなことから始まった二人旅は、少しずつお互いの人生を変えていく。
ユーモアと優しさに包まれたロードムービー。

観終えて思ったこと

余韻が心地いい映画を、久々に観た気がする。
今日いい映画観たな、って浸れる作品。

夜寝る時にまたふと思い出して、
夢で続きを見たいななんて思っちゃった。笑

この感じを久々に映画で体験できて、幸せだった。
「幸せだった」なんてストレートに言えちゃう私になれる、
そんな映画。笑

半分フィクション、半分ファンタジーみたいな
優しい世界。

それでも、あの世界にいる人たちは
本当にどこかで暮らしている気がするのだ。笑
景色も空気も、その世界にすっと入り込ませてくれる。

漁師のタイラーは、なかなか素行が悪い。笑
なのに、どんどんタイラーに心を奪われた。
これは「一緒に時間を過ごして好きになるキュン🫰」ってやつ。笑

ネタバレあり感想

タイラーの”普通”が、一番難しい

タイラーはザックを、
22歳の一人の男性として普通に接する。

ザックを追いかけてくる老人ホームで働くエレノアが、
「ザックのことを思って」介助する行動の方が、
私の感覚に近いかもしれない。

でもきっと…そうじゃない。
タイラーの接し方が、ずっと自然で、ずっと対等なのだ。

動物界を観た時にも感じた。
「普通に接する」って、難しい。

普通にしよう!って意識する時点で、
それは自然じゃないし、対等じゃないから。

だからこれは気づいた時点でどうしようもなくて、
そのことを突きつけられて、少し胸が締め付けられた。

終わりが見えたから、余計に眩しかった

タイラーは、ダンカンのカニ籠からカニを盗み、
仕事をクビになる。
ボコボコにされた腹いせに、
漁道具に火を付ける。

…え?
犯罪じゃん。笑

確実に逮捕されるやつじゃん。
この時点でハッピーエンドが全然想像できない。

老人ホームを脱走したザックと
「同じ逃亡の身だな!」って笑ってるけど、
いや、タイラーの方がだいぶ重いんだが。笑

ただその後の、タイラーとザックの旅の様子が良すぎて、
すっかり忘れていたけど。笑

エレノアが2人を見つけてからが、
さらに良いんだよね。

エレノアがタイラーと話をしている隙に、
エレノアの車の鍵を海に投げるザック。

よくやった!

手作り筏に乗るしかなくなったエレノアは、
タイラーと話をしている。

エレノアが一緒で嬉しそうなタイラーと、
不満そうなエレノアを見て、
私はこのとき、タイラー&ザックの旅が
もっと観たかったなぁと思っていた。

その時、ザックが素手で魚を獲る。

それを見たタイラーとエレノアは大はしゃぎ!

そこから一緒に魚を食べて、
川に飛び込んではしゃぐ3人。

このあたりから、
この3人がこのまま一緒にいてくれたらと
願い始めていた。

タイラーはきっと逮捕されるし、
ザックも劣悪な施設へ入ることになる。
エレノアだって、職場では問題になるはず。

だからこそ、3人が笑って飛び込むあの時間が
たまらなく愛おしいのだ。

景色も陽の光も3人も、
全部が優しく溶け合っているようで、
画面いっぱいに多幸感が広がっていく、あの感じ。

終わりがわかっている寂しさがあるからこそ、
この瞬間が永遠であれと願ってしまった。

エレノアが夫と死別していたことを打ち明けるシーンも好きだ。

あの逆光の中で、
風になびくエレノアの髪がやけに印象的だった。

タイラーとの会話には、
お互いを意識し始めたような空気が流れていて、
たまらなくキュンとする。

3人になってからの時間だけ、
1時間くらい見せてくれないかな。笑

ザックの夢の、その先で

悪役プロレスラー・ソルトウォーターは町の有名人ゆえに、
すぐ見つけられる。

学校は既に閉校していて、
ソルトウォーターも引退していた。

ソルトウォーターにここまでの経緯を話すタイラーが、
とても大人な対応をしていて、
「カニを盗んでたあのタイラーがこんなにっ…」と感極まってしまった。
(私の立ち位置なに?笑)

ザックにどう伝えるかでうつむく、タイラーとエレノア。

嫌な予感はしていたけど、
こんな終わり方嫌だよ…🥺

そしたら、けたたましい土埃を立てながら、暴走する車!

え?なになに?
これ以上ツライことある?!


……

…ソルトウォーターッッッ!!!!涙涙涙

本当に優しい世界すぎるっ!!!
(ありがとう。笑)

ところが、話はそこで終わらない。

この引退したソルトウォーター、
ちょうど町でプロレスをやるから、
ザックにもそこで試合をしてもらおうと提案する。

憧れだったプロレスラーの夢が、
こんなカタチで叶うんだ。

…と思ったら。

ちゃんとハッピーだけではない、
ビターな展開も待っていたんだ。

夢で続きを見たいと思ったのは、
きっと、あの3人の時間と、
その先を観たかったからなんだろう。

✏︎勝手な、偏愛視点。

ジャスパーと出会って、
手作り筏で漕ぎ出すシーンも好き。

ゆっくり流れる筏に座る、二人の後ろ姿。

マークとタイラー。
そして、タイラーとザック。

過去と現在の情景が重なっていく。

ぶっきらぼうなタイラーの背中がなんだか小さく、
ザックの背中がとても大きく見えた。

ジャスパーの洗礼の言葉も重なって、
張り詰めていたものが少しだけほどけたように感じた。

そしてザックの
「僕の誕生日の願い事は、全部君にあげるよ。」

この一言で、
私もタイラーと一緒に泣いてしまった。

勝手に私まで、救われたような気がしたんだ。笑

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